コットン
コットンは私たちのビジネスに欠かせない素材です。世界有数のアパレルブランドであるGap Inc. が使用するコットンの量は世界全体のコットン供給量において大きな割合を占めます。コットンの栽培には広大な土地、多くの労働者、農業機械、害虫・雑草管理措置が必要であると同時に大量の水が消費されます。また、コットンは経済においても重要な農作物であり、女性を中心に2億5000万人の生計を支えています。
私たちはすべてのブランドで持続可能なコットンの使用量を増やそうと努め、Gap、Banana Republic、Old Navyでは持続可能なコットンに完全に切り替えることにコミットしています。持続可能なコットンとはオーガニックコットン、再生コットン、ベター・コットンイニシアチブ(BCI)認証コットンなどです。2016年にBCIに参加したGap Inc. は今や、BCIコットン使用量ランキングで世界第3位という誇らしい結果を出しています。2018年には全ブランドを合わせるとGap Inc. が調達したコットンの40%以上がBCIコットンとなりました。
上記の選択肢を取ることで、水や農薬の使用量の削減と土壌の改良ができうえに、労働者や農家にとってもより良い栽培方法で生産されたコットンを買い付けられるようになります。例えば、BCIは世界中の何百万人もの農家に対し「化学肥料や農薬が環境に与える悪影響を最小限に抑え、水および土壌の安全性や生息環境に配慮しながらコットンを栽培する方法」のトレーニングを行っています。また、BCI提携農家はディーセント・ワークの原則に従い、労働者の安全と心身の健康を守る労働環境の整備に取り組むことになっています。この活動が功を奏し、2013年の比較調査では、BCI提携農家の水使用量が、BCIの原則に準拠していない農家よりも14%~から23%低く抑えられているという結果が出ました。
調達慣行を発展させる中で調達先地域についても理解を深めていますが、その際には特に水害を受けやすい地域のリスクや気候変動による他の影響などに重点を置いています。コットンはほとんどがインド、中国、パキスタンなど水ストレスの高い地域で栽培されるため、私たちはコットン調達に関わるリスクについて包括的な評価を確立しました。